akatonboのブログ

“自然大好きシニア”の目でとらえた“自然の美しさやおもしろさ”などを
紹介していきたい。

一人観察会Ⅱ(高野箒と藪柑子)

      高野箒の花
 道中では花を付けている高野箒(コウヤボウキ)の群落に出会った。淡い
色の花なので目立たないが、良く観ると細い花弁がくるりとなって可憐です。
 名前は高野山には竹がないので、竹ぼうきの代わりにこの高野箒の落葉し
た枝を束ねて“箒”を作ったことからこの名がついたそうです。

     藪柑子(別名:十両)の実
 道脇で“正月の縁起物”植物の一つの藪柑子(ヤブコウジ)も見つけました。
参考までに“正月の縁起物”を紹介しますと~マンリョウ(万両)、センリョウ
(千両)、カラタチバナ(百両)、ヤブコウジ(十両)、アリドオシ(一両)
~です。縁起物として扱われた経緯から古典落語「寿限無」の中にも~やぶ
らこうじのぶらこうじ~と登場します。古くから人々に親しまれ、身近な存
在だったのですね。

一人観察会(冬苺)

        山道で見つけた冬苺

        松尾寺の三重塔
 久しぶりに一人観察会に行って来ました。世界遺産の法隆寺の裏手から数
分も歩けば棚田があり、そこから1㎞あまり山道(参道)を登ると厄除け参
りで有名な古刹の松尾寺があります。棚田の周りと松尾寺までの山道が私の
一人観察会のコースです。
 道脇で冬苺を見つけました。葉の陰から赤い実をのぞかせています。口に
入れると、甘酸っぱい懐かしい味がします。子どもの頃、薪取りに行った山
道で見つけて食べたあの味です。もっと寒い時季だったような気がするのに
こんなに早い時期に熟すのですね!今年こそ冬苺のジャム作りに挑戦してみ
みたいです。

黒花引起こし(クロバナヒキオコシ)

 図鑑などでは北海道と本州の日本海側に自生するとされている「黒花引起こし」
を何と奈良県の甘樫の丘で、サークルのリーダーに教えてもらい観察することが出
来ました。10月の初旬に兵庫県武田尾で、同じ仲間の「引起こし」(白花)を観
察した矢先だったので、この“黒花”との出会いに舞い上ってしまいました。
 「引起こし」は葉を少しかじっただけでも苦く、この苦味は古くから健胃薬とし
て用いられています。名前の由来も、弘法大師が道で倒れていた行者に、この草の
絞り汁を口に含ませ、元気にさせたという言い伝えによる、つまり病人を「引起こ
す」という意味でつけられたとのこと。別名「延命草」とも呼ばれています。“黒
花引起こし”も“引起こし”と同じように苦味が強く、薬草として用いられています。
濃紫色の花は小さくても目立ち、存在感があります。