akatonboのブログ

“自然大好きシニア”の目でとらえた“自然の美しさやおもしろさ”などを
紹介していきたい。

石蕗(ツワブキ)の花

    斑入り葉の園芸種の石蕗の花
今年も庭に石蕗の花が咲きました。私にとってのこの花は、生まれ育った故郷の思い出と重なって“懐かしさと親しみ”を覚えます。黄色の花と艶のある緑の葉とのコントラストがとても美しいです。また、目で楽しむだけでなく山菜としても味わうことができます。春先の産毛の生えた、若い葉柄を湯がいてアクを抜き、煮しめなどにして食べます。名前に“フキ”が付いていますが、フキの様に茎は中空ではありません。
 もともとは海辺の植物なのでか、近くの野山ではあまり見かけません。目にするのは、ほとんどが公園や庭に植栽されたものばかりです。いたるところに咲いている“故郷の石蕗の花”が懐かしいです。

センブリ(千振)

    観察会の下見で出会ったセンブリ(千振)の花です

リンドウ(竜胆)と同じく胃腸薬などの生薬などとして利用される“薬草”で
す。“当薬”“苦草”別名があるように、この“煎じ液は苦く”て“千回振り出し”て
も苦味が消えないので、この名前がついたようです。
 子どもの頃の故郷の山道で、祖母に教わり採取したことはありますが、花
を観た記憶はありません。こうして見ると、五弁の花弁は、白地に紫の筋が
入って、凛とした美しさです。近頃は自生の花にお目にかかることが少なく
なってきました。本番の観察会で参加者の皆さんに紹介するのが楽しみです。

スカシダワラ(透かし俵)

最近の観察会で落ちているのをよく見かけます。透け透けの硬い網籠の繭、
透け透けでもしっかり作られている繭です。たぶんヤママユガの仲間だろう
と見当をつけて調べたところ、ヤママユガ科のクスサン(楠蚕)の空の繭・
スカシダワラ(透かし俵)と呼ばれるものでした。クリやコナラに発生する
緑色の毛虫がクスサンの幼虫だそうです。クリの木によく発生するので「栗
毛虫」と呼ばれたり、毛虫の体に生える白色の長毛から「白髪太郎」とも呼
ばれたり、地域によっていろんな呼び名があるようです。また蛹化前の終齢
幼虫が紡ぐ糸は、テグス(天蚕糸)といわれ、釣り糸や縫合糸に使用されて
いたようです。次は大型の蛾・成虫のクスサンを見てみたいです。

 スカシダワラの繭の中に入っていた蛹です